《番犬女》は俺のもの
第20章 暴かれる
「…やっぱりキミは僕のことを知っていたんだね、レイ」
「……」
「凰鳴高校で僕が何をしようとしているのかも?」
「…何のことだい」
彼の言葉に零は耳を貸さない。
「…しらばっくれるわけだ」
溜め息をついたハルクは、右手を軽くあげて後ろの車に合図を送った。
するとゆっくりとドアが開けられる。
「──選ぶかい? レイ」
合図を受けて、スーツ姿の男が二人とも出てくる。
「キミは服装も寒そうだし、場所を変えてから改めて話をしようか。…それとも、この場で少しだけ温まっていく? 」
「…強引だね」
「舐められるのは好きじゃないんだ」
ハルクがその場から数歩後退したので
入れ替わって前に出てきた男たちに零は目線を移した。