《番犬女》は俺のもの
第20章 暴かれる
二人の男の、片方は茶髪でもうひとりはスキンヘッド。両方ともに日本人ではなかった。
零の顔が曇る。
この二人…その辺のチンピラとはわけが違う。
見ただけでそれはわかるのだ。
「……ハァ」
「──…」
さらに零だけでなく、同じことをスーツ男達も思っているようであった。
4mほどの距離をあけて彼等は動きを止めている。
その目が静かに
互いに無言の威嚇をおくっている──。
《ここでやり合うのは》
なるべく避けたい、面倒くさい。
しかし背を向け逃げだすことは、できない。