《番犬女》は俺のもの
第20章 暴かれる
「へぇ…っ、アカネまで僕のあとをつけてたなんて知らなかったな。──…いつから居たの? 」
「お前たちがくだらないゲームの話をしている頃だな」
ドスンッ
返事と同時に茜は肩から鞄を落とした。
ひとつはそのまま足元に、もうひとつの鞄を手に持って前に差し出す。
「そこのバカが荷物をほったらかして学校から消えたから、持ってきただけだ」
スーツを着た二人組の奥の
ハルクのまた奥に立つ
零の方へ鞄を向けていた。
「ひとりで何やってる…!」
「茜さん…? 」
「極端なんだよお前は」
『俺に任せて』
そう言うから嫌な予感はしていたが、こんな状況になってるじゃないか。
“ だが、このまま怒りを篠田にぶつけるのもナンセンスだな ”
鞄を持つ手をいったん下ろして茜は首を捻った。
勝手な零にも腹がたつけれどそれ以上に…
「──…で? お前は結局 誰なんだよ、転校生」
途中からだがだいたいは聞かせてもらった。
もっと詳しく話してもらおうじゃないか。