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《番犬女》は俺のもの

第4章 Rock oN!!!


チラッ…

茜は零の顔を盗み見る。



“この男は、この状況に対して何も思わないのか”



私たちが互いを知ったのは今日の朝。それもプラスなイメージを持たれたわけがない。

そもそも茜は、零に対して何の興味もないどころか感情もない。どう思われていようと知ったこっちゃないのだけれど…。


《…心配だわ》


そう言ったときの梗子の不安げな表情を思い出す。


生徒会長として凰鳴高校の生徒を心配する彼女のお人好しな性格を知っているぶん、無視することはできない。



“…仕方がない、これを機に”


こいつとあの不良たちとの繋がりを聞き出しておくか…




「……♪」


あれよあれよと流されるままに二人はカラオケ店に連れていかれる。


零は鼻唄を歌いながら、ご機嫌な様子でその波に従っていった。


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