《番犬女》は俺のもの
第22章 茜サンは、強いよね
「…クリーム、ついてる」
「…どこにだ…?」
「ここ」
「……ッ」
押し付けた唇は
ぬぐうというよりは完璧にキスだった。
「ごめんウソ…」
「…// はぁ?」
「キスしたかっただけ」
いたずらに笑う。
もうすぐ空になりそうな皿がテーブルの上に並び、顔を赤くした茜がその前にいた。
「…ほら、食べさせてあげる」
「──…っ」
カチャ..
零は残ったパスタをフォークに巻き付けて彼女の口許に運んだ。ピンク色の鮭を上に添えて。
躊躇を見せる茜…
零がおかしなことをしないように見張りながら、彼の目を見つめたまま差し出されたフォークをぱくっとくわえた。