《番犬女》は俺のもの
第4章 Rock oN!!!
「今日、本当に俺の歓迎会に興味あったの?」
「……」
「…いいよ遠慮しなくて」
「──興味ゼロだ」
「…っ…正直だね」
横に並んだついでに、零は茜に話しかける。
「本当は…花崎さんと帰りたかったよね」
「……?」
「教室で誘ってたろう? 」
「あれは…」
茜は梗子に、今日は残って生徒会の仕事をしないのかと聞いた。
対して、仕事は終わったからすぐに友人と帰れると言った梗子は、茜も一緒にどうかと誘った
──が茜はそれを断ったのだ。
「あれは、一緒に帰りたかった訳ではない」
「そーなの? 二人きりで帰りたがっているように見えたけど」
「…花崎さんはいつも遅くまで学校に残っている。暗いなかをひとりで帰らせるのは心配だから、そういう日だけ私も一緒なんだ」
他の友人たちと帰るなら
私が共する必要などない
茜がそう話したとき、ちょうど信号が青になる。
「そーなんだ」
彼をおいて歩きだした茜の後ろで、零が呟く。
零は後を追いかけると、また彼女の横にならんで問いかけた。
…花崎サンのためなら、とことん優しいんだね
「茜さんは、あっち系?」
「──は?」