《番犬女》は俺のもの
第24章 クリスマスを君と…
「なにか企んでるの?」
かぼちゃのクッキーに手を伸ばした梗子を見下ろして、座ろうとしないハルクが問いかけた。
「…企む?」
「僕を家にいれたのには理由があるんだろ。誘ってるのかと思ったけど、違うみたいだし」
「誘う…って、何にですか?」
「…っ」
ダメだ
自分のペースに引き込めない…!
この僕がこんな女を相手に手こずるなんて…っ
「さっきみたいに…、僕に襲われたいM女かと思ったってことだよ!」
もー自棄( ヤケ )だ!
天然お嬢様め
「えむ!? ─それ、聞いたことあります…ッ//」
「──え、ホントに?」
「友達が見せてくれた性格占いの本に…っ」
…梗子の言う性格占いの本、とは
とある乙女ゲームのおまけbookの付属ページ、『あなたの恋愛タイプを教えちゃうよ♪』のことである。
『花崎さんにぴったりなのは、気分屋の俺様王子だそうよ!』
少しMっ気があるとの彼女の診断を見て、友人がそうアドバイスしてくれたものだ。