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《番犬女》は俺のもの

第28章 ──…逃げるな



 ……っ


「──…誰だ」


暗い路地裏


通りから射し込む明かりが逆光になり、相手の姿が捉えづらい。



誰だと問うた──彼女の言葉に

向こうは品の無い大笑いで返してきた。



「そんな冷静に聞かれても…ブハッ」

「お前らこそ何する気だったんだぁ~?」

「こんな所で服脱いで」


少しずつ目が慣れてきた。


知り合いではないな…

少なくとも高校生ではない。もっと上だ。



「──…何か、私たちに用ですか」


顔をしかめ、それでも口調を丁寧に変えて…茜は聞き直す。


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