《番犬女》は俺のもの
第28章 ──…逃げるな
無理に外そうとすると
“ やばい、ひきちぎりそうになった…!! ”
となるので、気を付けなければ。
「──…あれ、まだ浴びてないの? 」
ガチャ──
もたもたしている内に…零が
「~~~!!!! お前!約束が…っ」
「えー だってとっくにバスルームの中だと…。どうかしたの」
「なん でもッ ない」
「──…ああ時計か…。かしてごらんよ」
両手を前に出して身構えた茜は、一瞬にして顔が…まるで湯上がりのよう。
そんな彼女の手をとって
零は時計に目を遣った。
「じっとして…」
じっとしてられるか
こっちは下着なんだ。
そりゃあ見られるのが初めてってわけではないが。
「ほら、とれた。向こうのテーブルに置いとくね」
「…おう」
「──…」
「なんだよ…//」
外した腕時計をポケットの中に入れる。
そして零は、茜の手を掴んだままその身体をじっと見た。