《番犬女》は俺のもの
第29章 ハダカの心
それはもう、痛いのなんのって
「──ッ!?」
「問題ない!」
“ 問題ない?”
久しぶりのこのヒリヒリ…
零が怯んで後退したぶん
茜が前に乗り出した。
「──強いんだろう」
「……ぇ」
「 私は強いんだろう!? だから問題ナシだ、
私はお前なんかに壊されない!」
“ え、え ちょっと……っ ”
「……茜、さん…? 」
どうして───
「泣いてるの? 茜さん…っ」
「…っ 知るかッ …私に、聞くなよ…!!」
何故か、怒った彼女の目尻からは
透き通った一筋の涙が。