《番犬女》は俺のもの
第5章 因縁
登校後、2年全員での清掃活動が始まる。
茜の組は、近くのさびれた商店街の中だった。
「…でさぁ…昨日ね」
「あっ、それどこで手に入れたんだよ!?」
決められた場所のどこを掃除するかは自由だ。
女子と男子で別々の塊ができあがり、談笑しながらの作業はいつものこと。
私語はやめろと注意したいものだが
もともとは女子しか来なかったのだから、これも十分な進歩ではある。
「ちょっと、男子たち!少しは手、動かしなよぉ」
「…はぁ!?…お前らだってダベってるだろうが」
「茜さんが見てるわよ…」
「──…えッ」
「──…」
「……(汗)」
男子も持ち場に来るようになったのだ
これも茜という存在のおかげである。