《番犬女》は俺のもの
第5章 因縁
まぁ勝手に怯えているわけで
「……?」
掃除を再開した男子から目を離したあと
狭い路地の入り口で、茜は足元を見て立ち止まった。
「タバコか…やけに多いな」
固まって捨てられた吸い殻を怪訝な表情で見下ろす。
「汚いねぇ…ここ…」
「誰よっ、もう!」
茜の周りの女子もそのタバコに気がついて、ゴミ袋に集めていった。
そして──
「──ッしゃあ! 8時10分!! 」
「終わりだ終わりー!」
ドドドドドドドドドドドド.......
清掃終わりの時間がきて、時計を見た男子たちは解放されてさっさと帰っていった。
「あ~もう最低!集めただけで捨ててないわ」
「…ハァ…馬鹿どもだな」
気づけばいるのは女子だけ…
仕方なく、後始末に取りかかる。