《番犬女》は俺のもの
第31章 茜の反撃
そのためにこうして、花崎さんに教わりながら作っているんだ。
「……よし」
まな板に敷いた紙の上に、粉のようになったスイートチョコ。
それを見届けて満足感にうなずく茜。
「…次はこれをとかすんだよな」
鍋にざざーーっとそれを入れた。
「──…あ、待って茜ちゃん!もしかして…それを火にかけたりは…」
「…ん、とかすんだろう?」
「違う違う!そんなことしたら焦げるわ」
「なんだと……!!」
一応、簡単な料理はしてきたものの…菓子作りなんて初めての茜にはわからないことが多い。
「生クリームを温めて、その熱でとかすの」
「なるほど…」
梗子の女子力には頭が上がらない。