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《番犬女》は俺のもの

第31章 茜の反撃


そして屋上に来た茜と零。

たとえその場所が──凍える風がびゅんびゅん吹き付ける昼食に最悪のコンディションだとしても

この二人は気にしない。


「…それ、ちょうだい」


校庭を見下ろす方向にそろって腰をおろしたところで、彼女の紙袋を指差して零が言った。



「何故だ?」

「いーから」


問答無用でそれを受け取り、何をする気かと思えば袋から適当にひとつを取り出して…なんと零は食べ始めてしまった。


「おい!──…っ」

取り返そうとした茜の顔に、彼は自分がもらったチョコレートの袋を押し付ける。


「俺のあげるから、交換しよう」

「…はぁ?なんでそんな面倒な事を……第一に、お前のためにこれを作った子達が可哀想だろう」

「受け取っただけ、誉めてほしいな」

チョコレートクッキーを食べ終わり
別のカップケーキを食べる零。

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