《番犬女》は俺のもの
第5章 因縁
「凰鳴高のお嬢さまたちはやっぱきれい好きだもんなぁ。おい、俺のここもきれいにしてくれよ」
男のひとりがそう言って、足を開いて自身のそれを指差す。
「…もちろん口でしてくれるんだろ?」
「はははっ、それサイコーだな!」
「…っ…ひどい…!」
卑猥な言葉を浴びせられて
女生徒の中には涙をみせる者もいた。
騒ぎに気がついた近所の大人が
気の毒そうに店々から顔を出し始めた。
「何をしている」
「…茜さん…っ」
そこに、茜が現れた。
彼女は涙を流す女生徒の肩をもって後ろに庇うと、男たちに冷たい目線を向ける。
「ああ? 」
「何してる、お前たちに聞いているんだ…」
女生徒と男の間に割り込んだ。