《番犬女》は俺のもの
第6章 おさめた拳 ( コブシ )
「だいたい、お前が現れるからよけいにこじれたんじゃないか…!」
警察が来たから助かったが
あのまま続けば間違いなく血をみる喧嘩になっていただろう。
「向こうは完璧にお前に目をつけたぞ」
「…そうだね」
「知らないだろう?青崎の不良はたちが悪い…! 警察沙汰を過去に何度もおこしているからな」
頭に血がのぼったらすぐに暴力に走る
そんな噂でもちきりだ。
後先を考えない小心者ほど、扱いづらい相手はいないんだ…。
「だから気を付けてくれ。暫くは私も気にかけておく… 」
「…あれ、"男嫌い"の茜さんが珍しい。
俺のこと心配してくれてるんだ ( ニヤリ ) 」
「……っ」
笑ってる場合かッ
「これ以上問題を大きくされたら困るだけだ」
「あ、そー 」
「っ…ニヤニヤするな!」
そんなこんなで二人は校門にたどり着いた。
もう一限は始まっている。
茜は昇降口に急いだ。