《番犬女》は俺のもの
第6章 おさめた拳 ( コブシ )
「なら質問のしかたを変えようか」
彼は茜の返答に納得しない。
「… "顔で" 受け止めたのは何故?」
「──…!」
「手で受け止めることもできたんだろう。それをせずに、わざわざ殴られた理由──」
生徒会の番犬
凰鳴の男子全員から恐れられる存在
…にもかかわらず、彼女は青崎の生徒を相手に、全く歯向かうことをしなかった。
「…っ…お前に関係ない」
「答えないなら俺の予想を教えてあげるよ」
拳をおさめる、その理由──
「隠れドMなんでしょ?」
「…!?…えむ…!?」
「隠さず教えてくれたら、俺が苛めてあげる」
「──」
ドスッ
調子に乗りすぎた零は
脇腹に強烈な一撃をくらうことに……。