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《番犬女》は俺のもの

第7章 誘拐



「黙れなんて酷いなぁ…」

「こっち向いて爽やかに笑ってる暇があるなら、手を動かせ、手を」

おとといの朝の清掃をサボった零には放課後の罰掃除が待っていたのだ。

竹ホウキで校門を掃除中の彼を、下校する生徒は遠目に見守っていた。


時おり彼の知り合いが近づいて声をかけていたが…


「ハハッ、罰掃除かよ篠田」

「そんなめんどくせぇこと止めちまえよ。これから俺たちボウリング行くけどどうす…ッ!!!」



彼等は背後からの殺気に気付き、ゆっくりと振り返る……



「…ばっ……ッ」


ば、んけん…!!



一階の教室から頬杖をついている茜の視線に気が付き、慌てて逃げていくのだった。




「…ほら…どうした篠田、休むなよ」

「……」


サッ サッ サッサッ

零は大人しく従っていた。



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