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スーパーボール

第5章 フーセンガム*櫻宮*昔の話

「俺が、一目惚れしたんだよ」
櫻「え?そうだったっけ?」
「そうだよ。忘れたの?」

櫻「いや、俺が一目惚れしたかと思ってたんだけど」

「嘘っ!?」

ついつい身を乗り出す。

櫻「んで、告白されたときはマジかーって思った」
「マジかーってどうゆうマジ?」

翔は、苺を食べて微笑んだ。

櫻「俺のこと好きでいてくれたんだって」
「……」
櫻「黙んなや」

恥ずかしそうにはにかむ。
何でだろ。
出会ってから8年経ったのに、
そんなに昔に思えない。

「…5年か」

染々と感じる。

櫻「5年だよ」

二人ほぼ同時にシャンパンを飲み干した。

「ふふ、まだ飲みます?」
櫻「まだ、飲みます」

翔の空っぽになったグラスにシャンパンを注いだ。

そのあと、すぐに俺のグラスにシャンパンを注いだ。

櫻「10年経ったらすごくない?」
「すごくないよ」
櫻「なんで?」

「だって、一生一緒なんでしょ?」

櫻「…可愛いことしか言わねぇよな」

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