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スーパーボール

第1章 カレンダー*山*復縁

(大野side)

諦めたつもりだった。

二宮くんは、俺に頭を下げて涙を流しながら

ニ『翔くんを…お願いします』

そう言った。

でも、そんなこと言われても困った。
気づいてたから。

翔ちゃんには二宮くんしかいないって。

それと同じように、
二宮くんにも、翔ちゃんしかいないんだと思う。

それなのに、
二宮くんは身を引いた。

理由は、わからない。

でも………

最後に見たあの表情は忘れられない。


涙で潤んでるはずの目が、力強く思えて
震える唇を必死に抑えて。


相当な覚悟だったんだ。
俺だったら、絶対に翔ちゃんを渡したくない。

離れたくない。

そう願ったと思う。


櫻「智」

「あ、ごめん…なに?」

ついついボーッとしてた俺に声をかけてくれた。

櫻「もう、来なくていいよ」

俺が来るたび、言ってくるんだ。

「ううん、来るよ」

櫻「どうして」

「前にも言ったでしょ。翔ちゃんの苦しむ顔は見たくないって」

今なら、言える。
二宮くんにも、胸を張れる。


「俺は、翔ちゃんが好きだよ」

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