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スーパーボール

第1章 カレンダー*山*復縁

パチンッ!

右頬に痛みが走った。

櫻「……ごめん」

驚いた顔をして自分の左手を見つめてた。

「翔ちゃん」

ゆっくり近づいて、翔ちゃんに抱きつく。
少しだけ、後ろに退いて避けてたけど。


「もう、戻ってきていいよ」


櫻「え…」


「帰っておいで」


どうしても、言いたかった。


「二宮くんは、ここにいないよ」


翔ちゃんが、二宮くんを忘れるには第三者の意見が

言葉が必要だった。


櫻「…くっそ」


俺を抱き締めて、言葉を続けた。


櫻「わかってんだよ。アイツの痕跡はもう無いんだよ…。なのに…」


強く、強く俺を抱き締めて…
泣いてた。

二宮くんを想って泣いてるんじゃない。

現実を今、受け入れたんだ。

二宮くんは、ここにいないって
気づいたんだ。


「おかえり、翔ちゃん」


俺がかける言葉は、
その一言に尽きたんだ。

翔ちゃんが帰ってこれる場所を、
作れて、守れてよかった。



「またね、翔ちゃん」

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