テキストサイズ

スーパーボール

第10章 カメライト*にのあい*レンズ

(相葉side)

ニ「え、国分先輩が?」

「うん」

嬉しそうに、カメラを見つめた。

「このカメラ、好きなの?」
ニ「うん、俺だけのカメラ…」

にしても、綺麗な場所だな。
どこを見渡しても、綺麗な景色。

「ニノは、ここで写真撮ってるの?」

ニ「…」

「ニノ?」

ニ「俺、気持ち悪くない?」

俺を見つめるニノの目は、
前みたいな真っ直ぐさはなかった。

ニ「毎日、相葉くんに付きまとって写真撮って…気持ち悪いよね?」

「そ、そんな…」

ニ「このカメラで撮った写真、焼いて俺…ファイルにしてるんだよ?」

俺のこと、好きなんでしょ?
なら、なんで……

突き放そうとするの?

「ニノのこと、好きだよ」

ニ「へ?」

「写真も見た。綺麗だった」

ニ「え、あ、待って…見たの?」

「見たよ。全部、綺麗だった」

ニノは、後ろに倒れた。

「え、ちょっと…ニノ!?」

ニ「ふははっ…俺ばっかり、変な思いしてる…」

「ニノ?」

顔を覗きこむと、ニノが笑った。
そのままカメラを構えて、

パシャ!

ニ「俺は、相葉くんの近くにいれればそれで満足なんだよ」

パシャ!

ニ「だから…『好きだ』なんて、言わないでよ」

パシャ!

泣いてた。
さっきまで笑ってたのに。

「ごめん、でも、好きだよ」

ニ「もう…」

パシャ!

「カメラ、貸して」

ニノからカメラを奪う。
そして、

パシャ!

ニ「ちょ、相葉くん!」

起き上がったニノを抱き締める。

「俺も、ニノのこと撮りたい」

ニ「え?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ