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スーパーボール

第12章 エンジェルクッキー*にのあい*視線

「背はちっちゃいけど、センスはあると思うよ」

…髪、伸びたなぁ。

「ねえ、聞いてるの?」

ボール、また汚れたんだな。

「ちょっと!」
「えっ」

君は頬を膨らませながら俺に近づいた。

「俺の話、聞いてる!?」
「あ、ごめん…聞いてなかった…」

こんなに近付くのは久々で緊張する。

「バスケ、好き?」

唐突に問いかけた。

「バスケ?……。」

君は答えなかった。
ボールを見つめたまま黙りこんでしまったから。

「……君は?」
「え?」

「君は、バスケ好き?」

質問が質問で返ってきた。

「俺は……嫌いというか、苦手」

ドリブルなんて、絶対に出来ないし。
やってる人達を凄いって思うくらい。


「そっか。俺も、苦手」


笑った君はいつもと違う笑い方をした。
渇いたような笑い声だった。


「上手いじゃん、バスケ」

「練習したからね」


「苦手を克服しようと練習するなんて凄いと思うよ」


まさか、自分の口からこんな言葉が出てくるとは思わなかった。

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