小百合
第3章 【奴隷妻】赤と黒
「この部屋はなぁ。
元々は、楽器を演奏したり出来る、防音された部屋なんだよ。
グランドピアノだって、運び込める。
お前に名義変更する前に、改造したんだよ。」
そう言うと、小百合の真上から、顔をどけました。
しばらく、ベッドの真上の天井にあるものがなんだかわからなかったの。
天井にいる、裸の女。
写真?絵?テレビ?
大の字の裸の女。
やっと気が付きました。
大きな鏡が、天井に貼られていたんです。
大の字の裸の女は、小百合自身。
イヤァッ!
無理なのは、わかっているのに、なんとか鏡から逃れようと、ガチャガチャとモガきました。
首が動く限り、改めて周りを見廻しました。
そこは、異常な、見た事もない、ある目的の為だけの世界でした。