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小百合

第1章 【奴隷妻】プロローグ

その方が料亭の和室に来るなり、いきなり言われました。
結婚などする気はないって。

私もないって言いました。

変なところで意気投合したことに、お互い、変な興味を持ったのかもしれません。

探り合ってる駆け引きみたいな会話が、妙に楽しかったです。

2時間くらいかなぁ。
お昼を食べて、さよならしました。

駅に向かって歩いていたら、いきなり、後ろから腕を掴まれました。

彼でした。

送って行くから来いって。

二の腕を強く掴まれて、振り向かされたときね、彼の眼差しを見て、なんか、ホッとしたの。

この人、小百合を見抜いてくれるかも・・・って。

不思議な感覚が、初めて逢った男性に着いていくなんて、大胆なことを抵抗なくさせたのかもしれません。

2時間掛けて、彼の運転で高速道路を送ってもらいました。

車内でね、小百合ね、
笑ってお話ししてました。

クズ男達に、あんなに酷い目にあったのに・・・

彼、当時の小百合のアパートを見て驚いてました。

到底、若い女が独り暮らしするトコロじゃないって。

社交辞令で、コーヒーでもいかが?って言ったけど、彼、車を降りませんでした。

ただ、車を降りようとした私の手を引っ張って、頭を押さえられて、強引にキスされました。

彼の車、音も車体も大きいです。

狭い路地で、やっとUターンして、轟音が、去って行くのを見送りました。

連絡先やメアドさえ、交換しないままでした。

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