無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

彼は、超竜軍団に滅ぼされたリンガイアの復興に尽力し行方知れずのリンガイア王の代わりに王になったのだ。

バウスン「竜魔導ザンザでは無いが、リンガイアも魔族に襲われました。奴の名は魔界騎士ボルナーク！」

ベンガーナ王「なんと……リンガイア王、それはいつの事だ？」

バウスン「ちょうど１週間前の事です。それが如何しました？」

ベンガーナ王「いや、ボルナークは２週間前にベンガーナにも現れたのだ。勇者シウバが迎撃したのだが……やはり生きていたか」

バウスン「あの恐るべき男を……流石はシウバ殿ですな。幸い、ノヴァ団長を筆頭に１年掛けて編成したリンガイア聖騎士団の活躍で事なきを得ましたが、敵が本腰で攻めてきていたならどうなっていたか……」

会議の場に、少し重苦しい雰囲気が流れる。

その時、明るい声で発言をする男がいた。
かつての勇者『アバン』……現カール国王だ。

アバン「皆さん……久しぶりにお会いしたのだからもっと楽しく話し合いましょうよ」

ベンガーナ王「む、カール王……和やかに話が出来る状況ではないだろう？」

アバン「だからこそです。私たちは、闇に飲み込まれない様絶えず笑顔でいなきゃ……さて、我がカールにも敵の驚異は訪れました。敵の名は『妖魔傀儡師へル・マン』」

ベンガーナ「妖魔傀儡師？」

アバン「彼は所謂ネクロマンサーですね」

レオナ「あの死者を操ると言う？」

アバン「イエス！彼は非情にも半年前にこの世を去った我が盟友……大魔導師マトリフと武術の神ブロキーナを伴いやってきました」
・
・
・
ﾄﾞｰﾝ！

フローラ「何！？アバンのマホカトールに邪悪なモノが侵入しようとしている……」

衛兵「フローラ様！大変です」

フローラ「解っています。この非常時に王はどこをほっつき歩いてるの！？」

衛兵「それが……先週薬草探しに行って以来、未だ戻られていません」

フローラ「全く、あの人は……」

ﾋﾞｭｰ…ﾋﾞｭｰ…

突然突風が吹き荒れ、どこからともなく声が聴こえてくる。