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2次元クエスト~ドラゴンの騎士~

第1章 退屈な世界

ダイの大冒険は、37巻が最終巻なのだ。

店主「ちょっと待って下さいねぇ」

店主は、パソコンをカタカタ打ち始めた。

これで少しの間集中出来る。

少し意地が悪いかとも思ったが、子供の言うことだし特別怒られはしないだろう。

僕はそう思いながら手に持っていた本を棚に戻した。

店主「お客人、貴方……」

もうバレたか。

店主「お目が高いね。取り扱いはウチくらいしか無いですよ」

え?

今、何て言ったんだろう。

店主「ちょっとレアなモノなんで地下の書庫にありますよ。此方にどうぞ」

いたずらをした側が焦らされるなんて。

きっと仕返しのつもりで適当な事を言ってるんだな……

僕は自分から言い出しただけに付いていかない訳にもいかず、黙って店主の後に付いていく。

店主「いやぁ、お客人はついてる。実はアタシね、この前まで留学してましてそのままアメリカの『NASA』で働いてたんですよ。研究に一段落付いたんで両親のやっていたこの古書店を次いでオープンしてはみたんですが……中々上手くいかないモノです」

店主は自分の身の上話をしながら地下への階段を歩き続けた。

僕は適当な相槌を打ちながら後に続いたが、ふと不可解な事が頭を過った。

……一体いつになったら着くんだ?

もう優に100段以上は階段を降りた気がする。

店主「ウチの地下、凄いでしょう」

店主は、僕の心を読み取ったかの様に地下の話をする。

なんだか悪い夢でも見ている様だ。

店主「さぁ、着きましたよ」

体感では10分近く歩いただろうか?

こんな所に一体何があると言うのだろ。

店主「いやぁ、ごめんなさいね。実はアタシ、少し嘘を付きました」

店主は地下室のドアを開けながら言った。

店主「ダイの大冒険は37巻までしか発刊されていません」

僕はそりゃそうたと思いながら、目の前の光景に唖然とした。

地下室には、見たことも無いようなコンピュータシステムがぎっしり並んでいたのだ。

竜太郎「こ、これは!?」

店主「『2次元移動装置』です。アタシがNASAで長い月日を掛けて開発した代物ですよ」

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