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2次元クエスト~ドラゴンの騎士~

第4章 魔界へ

サライ「終りだ……」

サライの剣は、アームライオンの巨体を右肩から真っ二つに切り裂いた。

リュウ「す、凄い……」

サライ「アバン流剛の剣、地滅斬……どんなに堅い物体も切り裂く秘技よ」

アポロ「まさかこれ程とは……」

千魔の森の主、アームライオンを失ったモンスターたちは冷静に状況を見ていた。

この人間たちは強い。

闇雲にかかっても敵わないだろうと本能で悟っていたのだ……

リュウ「モンスターたちが様子を探っている……今の内に森を抜けよう!」

リュウたちは、全速力で森の中を駆け抜けた。

アポロ「はぁ、はぁ、はぁ……皆、無事か?」

ノヴァ「はぁ、はぁ……なんとか切り抜けられた様ですね」

千魔の森を抜けると、そこは小高い丘になっていた。

昴「おぉ、あれは街か?」

見下ろすと、不気味な建物がひしめき合う様に並んだ街が見える。

光の無い闇に包まれた魔界にも、集落が存在するらしい。

アポロ「街で情報収集する……って訳にはいかないだろうな、流石に」

マァム「そうだ!ゴメちゃん」

アポロ「ゴメちゃん?」

ノヴァ「そうか、元々モンスター姿のゴメちゃんなら街に行っても違和感が無い」

リュウ「だってさ」

ゴメ「ぼ、僕はちょっと体調不良で……」

昴「もうよい……拙者が行く」

アポロ「昴、確かに君なら大丈夫かもしれん」

リュウ「?」

ノヴァ「じゃあ『あの』話は本当なんですね?」

マァム「あの話?」

ノヴァ「鬼の子昴……彼の過去の通り名さ」

サライ「その名の通り人と鬼の間に出来た鬼人……」

パーティーの間に重苦しい空気が流れる。

アポロ「昴、くれぐれも無理はするな」

昴「あぁ……」

そして、昴は街の探索に向かって行った。

マァム「鬼……和の国で言う魔族の様なものかしら?」

ノヴァ「マァムさん……僕も文献でしか知らないのですが、強靭な肉体に尋常でない剛力を持ち額から角が生えてるそうです」

リュウ「でも昴さんは普通の人間にしか見えないですよ?」

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