2次元クエスト~ドラゴンの騎士~
第4章 魔界へ
アポロ「そうだね。だけど彼の戦いを見れば解る……決してその話が眉唾物では無いとね。とにかく、今は彼を信じるだけだ」
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粘土細工の様な物質で造られた不細工な住居。
やはり地上の物とはかなり趣が異なっている……
街灯などは無く、街は闇に包まれている。
魔界の住人は余程夜目が効くのだろう。
半身に魔(鬼)を宿すこの身には、この不穏な空気が心地好くもある。
……おかしい。
生物の気配がまるで無い。
もしやここは廃虚なのか?
……いや、微かだが気配を感じる。
昴の眼前には、しわがれた老人が一人座っていた。
僅かながら魔力を感じる事から恐らく魔族だろう。
昴「もし、そこの御仁」
魔族の老人「これは珍しい。こんな所に何用で?」
昴「拙者、旅の者でこの辺りには詳しくないのだが……この街に宿は無いか?」
魔界の老人「宿か……そんな物はもうここにはない。元々ここは魔族の中でも戦いを好まない者たちが住んでいたのだ。大魔王バーン様が倒れた為に魔界は混沌となった」
昴「混沌……」
魔族の老人「あぁ、元々不可侵を定めていたバーン様の軍とヴェルザー軍の争いが始まったのさ」
昴「戦争か……拙者、地上にいたから詳しく教えていただきたいのだが」
魔族の老人「詳しくも何もない。ヴェルザー軍の大勝さ。ヴェルザーはバーン様が地上に攻め入ってる隙に将を集めていたのさ。だが、それが功を奏した……バーン軍総大将を務めたガウス様は魔界の果てまで逃げ延びたのさ」
昴「魔界の果て?」
魔族の老人「ほら、隣にある千魔の森さ。あそこには主のいない魔物が無数にいる……体勢を立て直して打って出るのだろう」
昴「そうか、この街は戦禍に包まれたのだな?」
魔族の老人「そうだ。未だにヴェルザー軍の刺客がガウス将軍を追ってやってくる……巻き込まれる事を恐れた者たちは皆、ここを離れて行ったのだ」
カァカァ……カァ……
昴「なんだ……?あれは、カラスの群れ?」
魔族の老人「またヴェルザー軍の刺客がやって来たのだろう。旅の方……早くこの地を離れるがいい」
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粘土細工の様な物質で造られた不細工な住居。
やはり地上の物とはかなり趣が異なっている……
街灯などは無く、街は闇に包まれている。
魔界の住人は余程夜目が効くのだろう。
半身に魔(鬼)を宿すこの身には、この不穏な空気が心地好くもある。
……おかしい。
生物の気配がまるで無い。
もしやここは廃虚なのか?
……いや、微かだが気配を感じる。
昴の眼前には、しわがれた老人が一人座っていた。
僅かながら魔力を感じる事から恐らく魔族だろう。
昴「もし、そこの御仁」
魔族の老人「これは珍しい。こんな所に何用で?」
昴「拙者、旅の者でこの辺りには詳しくないのだが……この街に宿は無いか?」
魔界の老人「宿か……そんな物はもうここにはない。元々ここは魔族の中でも戦いを好まない者たちが住んでいたのだ。大魔王バーン様が倒れた為に魔界は混沌となった」
昴「混沌……」
魔族の老人「あぁ、元々不可侵を定めていたバーン様の軍とヴェルザー軍の争いが始まったのさ」
昴「戦争か……拙者、地上にいたから詳しく教えていただきたいのだが」
魔族の老人「詳しくも何もない。ヴェルザー軍の大勝さ。ヴェルザーはバーン様が地上に攻め入ってる隙に将を集めていたのさ。だが、それが功を奏した……バーン軍総大将を務めたガウス様は魔界の果てまで逃げ延びたのさ」
昴「魔界の果て?」
魔族の老人「ほら、隣にある千魔の森さ。あそこには主のいない魔物が無数にいる……体勢を立て直して打って出るのだろう」
昴「そうか、この街は戦禍に包まれたのだな?」
魔族の老人「そうだ。未だにヴェルザー軍の刺客がガウス将軍を追ってやってくる……巻き込まれる事を恐れた者たちは皆、ここを離れて行ったのだ」
カァカァ……カァ……
昴「なんだ……?あれは、カラスの群れ?」
魔族の老人「またヴェルザー軍の刺客がやって来たのだろう。旅の方……早くこの地を離れるがいい」