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2次元クエスト~ドラゴンの騎士~

第1章 退屈な世界

リュウ「……?」

城下の村に辿り着いた途端、僕は後ろから声を掛けられた。

僕はこの声の主を知っている。

テランの高名な占い師『ナバラ』だ。

ナバラ「歳を取ったとは言え誤魔化されやしないよ。アンタ……魔族だね?」

ハズレだ……この耄碌ババァめ!

リュウ「何だか面倒な事になりそうだ、逃げよう!」

僕はナバラを背にし、村の中心部に向かって走り出した。

村人1「いたぞ、あそこだ!」

村人2「ナバラの婆さんが言った通りだ!」

村人3「囲め!逃がすな!」

ゴメ「リュウ、これは不味いよ……どうする?」

リュウ「不味いって言われてもどうしようもないよ。僕は武器も持ってないんだ」

リュウが村人たちに追い詰められたのは村の中央の広場だった。

広場には、村中の人が集められているのか、女性や子供、老人までいた。

リュウ「待ってくれ……僕は怪しい者じゃない!」

しまった!

今の台詞は明らかに怪しい……

村人1「観念しやがれ!」

いや、そんな事を考えてる場合じゃない。

どうすればいい!?
村の子供「化物!テランから出ていけ!」

村の子供が石を投げながら叫んだその時、僕の中で何かが弾けた様な気がした。
リュウ「う、うぁー!」

ナバラ「な、なんじゃ!?あやつの身体が光に包まれて行く……まさか、あれは!?」

僕自身、何が起きているのかは解らなかった。

身体中の血が沸騰しそうな程に熱い。

ゴメ「……低レベルでのドラゴンの紋章発生条件は、『小さな子供に石を投げつけられながら化物と呼ばれる』こと。いきなりレアルート突入って感じかな?」

ナバラ「おぉ、やはりドラゴンの紋章……ご無礼をお許し下さい!」

ナバラと村人たちは、地面にひれ伏し謝った。

リュウ「そんな、止めて下さい……ナバラさん、冷静に話がしたいです」

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