一条蓮 続編
第2章 世界で一番のお嫁さん
一「!!!……。愛実ちゃん、そんなこと気にしていたの?」
愛「えっ…あ……」
一「そんな事を気にしなくていいのに……」
愛「でも……」
一「僕が愛実ちゃんを世界で一番のお嫁さんにしたいんだから、全部僕に任せておけばいいの!」
愛「う、うん……」
一「まだ気にしてる?僕ね、今までお店からもらったお金、全額結婚式で使うつもりだから」
愛「えっ?」
一「今よりも余裕はないかも知れないけど、ステラからのお給料だって、世の中からすれば充分な金額だし、ホストで稼いたお金で愛実ちゃんと生活するのもなんかね……だからさ、全部使わせて?」
愛「蓮くん……」
志「ん……?でもよ、その金、よくよく考えたら全額客が天パに貢いだ金だろ?」
一「えっ……」
志「そんな金で豪勢な結婚式とか言われても複雑だよなぁ?」
一「えっ、そうなの?……愛実ちゃん」
愛「そ、そんな事、思ってないよ。なんだか芸能人よりもすごいから、その……金額面では何も協力もできないけど……、その、嬉しいよ」
志水さんの思いがけない質問に曇った表情をしていた蓮くんの顔がぱぁーっと晴れた。
一「だよね!よかったぁ~。バカモジャ!僕達の結婚式に水を差すような事言わないでよね!」
私はグッと奥歯を噛み締めて志水さんに目を向けた。
志「ん?」
(目が合った…!)
私はアイコンタクトを送る。
(お願い……!)
志「……。あ……わりぃ…」
一「!!!キモッ」
志「は?てめーこっちが下手に出りゃ調子に乗りやがって」
一「何?キモいからキモいって言っただけですーっ」
夏「はいはい。じゃれ合いはそれくらいにして…。今日は皆この後の予定は?」
一「えっ?別に特にないけど…?ね、愛実ちゃん」
愛「あ…えっと……、実はこの後麗子とネイルサロンに行く約束しちゃってて…」
一「え?そうなの?」
愛「うん…、急に決まっちゃって」
一「そうなんだ…。どこのサロンに行くの?」
愛「お、表参道の…」
一「じゃぁ終わったら迎えに行ってあげるよ。麗子ちゃんも一緒にご飯食べようよ」
(あ……どうしよう…)