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戦場での情事高槻恋物語

第2章 喘ぎ声

「あ~疲れた・・・・・・」


時刻は午後三時半。
朝九時半から始まった掃除だが、雑巾掛けが、下手な神楽は、掃除男にみっちり、教えられ、やっとOK が貰えたのは六時間後だった。


すっかりスタミナと体力は悲鳴を上げ、部屋に戻った時は、ぐうの音も出ないくらい疲れはてている。
朝飯も、昼飯も抜きで六時間。


「眞田。お前昼飯食べて無かっただろ?食堂に行け、少ししか無いが握り飯と、味噌汁くらいなら有る。」


金子婦長に言われ、腹も空いていたし、まあ良いか、と思い、立ち上がった。
食堂に歩いて行き、ドアを開ける。


開いたドアに築き、食堂で、握り飯を取っていた人物と目が合う。
銀髪で目が赤で長身の青年。


あの時、挨拶を返さなかった青年。
タオルを首に巻き、服装は腕を捲った白シャツに黒のズボン。


「お、お邪魔します。」


恐る恐る挨拶をして、青年の横に行き、握り飯を取る。
近くのテーブルに座り、握り飯を頬張る。


握り飯を頬張って居ると、向かいの椅子を引き、青年が座る。
青年も同じように握り飯を頬張る。


沈黙が流れる・・・・・・


「握り飯旨いか?」


沈黙を破ったのは青年だった。
神楽は、握り飯を頬張るのを止め、
皿に置く。


「美味しいです。」


うつむき気味に答えた。
初めて聞いたこの人の声。
低い言音(ことわね)
喋れたんだ。




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