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戦場での情事高槻恋物語

第1章 戦場看護女子眞田神楽

「ハア・・・・・」
午後三時、眞田神楽は基地に向かうバスの中で不安と、色んな気持ちが入り混ざった溜め息を付いた。
あの後、直ぐ様バスに乗せられ、バスは直ぐに、発車してしまい。心の覚悟も出来ないままバスに乗ってしまった形になり、現在に至る。

この先どうなるんだろうか・・・・
戦場看護女子とは言え、戦争が終われば家に帰れるだろうか?
それとも帰れないのだろうか

決意が定まらず、スマホを弄り、気を紛らわそうとするが、結局気晴らしにすらならない。
周りはお菓子を食べたりして和んでいるが、初対面の人間の輪に入っていけるわけなく一人窓の外を見つめた。
バスに乗ってから早、三十分。
目的地に着いたらしくバスが停車する。

着いたのか・・・・
不安と、色んな気持ちが混ざったままカバンを持ち、降りる準備を進め、カバンを肩に掛けると、列に続きバスから降りた。
バスから降りると、同じくバスに乗っていた金子婦長が、名札を見て、カバンを降りてきた女子に次々と渡していく。

神楽もカバンを受け取り、列に並ぶ。
一通りバスから降りた事を確認した金子婦長が、列の先頭に戻り、話をし、
号令を掛け、先頭を歩く。
後の者も金子婦長に続き、列を乱さず歩く。
しばらく列に続き歩いていると、爆発音に近い音が前方の方から聞こえ、一同は、音のした方に顔を向ける。

襖があり得ないほど、宙を舞い、人が一人あり得ない勢いで、襖と同じく宙を舞い、壁に叩きつけられた。
「た、大変!!」
神楽は、肩に掛けてあったカバンを置くと、叩きつけられた人物に駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか!!?」
直ぐ様介抱してやり、声を掛ける。
「あ、ああ、だ、大丈夫だ・・・・」
男は、虫の息状態で神楽に話す。
神楽は、男の身体を丁寧に起こすと、打ち付けた頭に包帯を巻き、キュッと縛り固定する。
たぶん爆発で吹っ飛ばされたんだろう。
でも爆発にしては、一人だけとはおかしい。
爆発なら数人は吹っ飛ばされるはず・・・・・
ふと、男の腹辺りが気になり、目線を下ろす。
「え・・・・!!?」
なんと、男の肋骨が折れており、熱を持ち始めていた。
男の服を緩めると、胸部辺りに蹴られた痕があり、始めて男が蹴り飛ばされたのだと分かる。

男の肋骨を包帯で固定し、担架を呼ぶ。


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