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戦場での情事高槻恋物語

第5章 囚われの兎

「強情だな」

再び神楽の顎を掴み、自分の方向に向ける。
だが神楽は負けずと白夜叉を睨み付けた。
その目は白夜叉に刃向かう意思を見せた目だ

「別のやり方のほうが良いか?兎?」

白夜叉はロータのリモコンを切ると、首輪を引っ張り神楽を引き寄せ口のガムテープを乱暴に外す。

「ぷはっ!な、何するんですか!」

「仕置きだバカ兎」

片手で器用にベルトを外しファスナーを下ろすと、神楽の前に自身を取り出した
神楽は怯え震える。

「や、やだっ!止めて!」

「黙れよ?兎」

首を振り、嫌がる神楽の頭を押さえつけ自身を頬に近づける。神楽は酷く嫌がり首を激しく振った。

「いや、やだっ!離して!」

トントン

「白夜叉さん、海老名局長がお呼びです。至急仕度を」

「チッ、次は躾てやる兎」

白夜叉はコートを整えると、ドアを開け去っていく。ホッとするところなのになぜかもどかしく感じる。自分がおかしいのだろうか?

「怖かった・・・・・」

怖くて怖くて仕方ない行為から逃れられたのだ。もっと喜べば良いはずなのに神楽は難しい感情を抱いているのだ。
無理矢理外されたボタンを留めてその場を立ち去った。

「眞田、大丈夫か?」

金子婦長に声を掛けられた神楽は焦りの表情と青ざめた顔をしている。心配されるのも無理は無い。こんな顔をしている
人間を放っては置けない。
神楽は「大丈夫です」と答え自室に入った。

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