戦場での情事高槻恋物語
第5章 囚われの兎
「起床!!」
金子婦長の掛け声で一斉に看護女子が起き始め布団を畳んだり着替えたり慌ただしくなる。
神楽も服を着替えたり、布団を畳んだりしていた。
「眞田、お前には中務様がお呼びだ早く行け」
「は、はい・・・・分かりました・・・」
神楽は浮かない顔で返事をすると、部屋を出て長い廊下を歩く。
怖い・・・・白夜叉さんがすごく怖い・・・・
自分を縛り付けて、嫌がる神楽に抵抗などさせまいと無理矢理犯された・・・
処女まで奪われ、行きなりペットにさせられ、神楽にすれば災難だ。
手首には昨日縛られた痕が神楽に現実を知らしめる。
ドンッ!
突然廊下を歩いている神楽に何かがぶつかってきてよろけてしまい倒れた。
ぶつかってきた人物を見上げると、小柄な男が神楽に手をさし出す。
「大丈夫ですか?すいませんボーッとしていてケガは?」
「い、いえ、だ、大丈夫です。」
神楽は手を取ると、立ち上がり服の埃を払うと、お辞儀をして白夜叉の部屋に続く廊下を歩いてく。一番奥の部屋に白夜叉の部屋は有るらしく、部下達も苦労をするという。
なんでそんな遠い部屋を選ぶんだろう。
神楽にすればワケが分からない。
「あなた?白夜叉に何か用?」
背後から行きなり聞こえた来た声は女性の声で神楽は振り替えると、そこには神楽とは違い大きい胸、スラッと長い足。艶のある茶髪の女性だ。
しかも神楽に対して少し敵意を見せている。
「あ、あの、私は白夜叉さんに呼ばれました。それで来たんです。」
「そう、白夜叉にねぇ・・・・」
女はそう言うと、「付いてきなさい案内するわ白夜叉の部屋まで」と言い背を向け長い廊下を歩く。神楽も遅れを取らないように背後を着いていった。
「着いたわ、白夜叉の部屋よ」
「ありがとうございます」
お辞儀をすると女はそそくさと去っていく。
この中に白夜叉さんが居る・・・・
障子の前に佇み、うつむき目をギュッと閉じる。
瞼に焼き付くのは昨日の生々しい行為。
この障子を開ければ再び悪夢が始まる。
でも開けないと・・・・・
トントン
「入れ」
障子を叩き返ってきたのは神楽が今もっとも恐れてる人物の声だった。
やっぱり部屋に居るんだ・・・・
怖い・・・・怖くて仕方ない・・・
手が震えてきた・・・怖い・・・・
「し、失礼します神楽です・・・・」