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「可愛いな！彼女か？」

楓の知り合いらしい人が寄ってきてくるみと楓を取り囲む

「君達、俺の嫁に手を出すなよ？」

ニコっと笑いながら知り合いに言い放つ楓

楓の発言により騒がしくなったが、女性がつかつか近寄るとシンと静まった

「楓、この子だれ？」

オレンジに近い茶髪を腰まで伸ばしミニでタイトな黒いショルダードレスを着た女性は同性のくるみでさえ色気を感じる程の豊満なボディでくるみを見下ろしている

「よ、ジーナ！俺の嫁だよ♡」

楓が手前のソファー席にくるみを座らせウェイターに注文をする

「リー！俺にはコロナ、彼女にはシンデレラを」

「かしこまりました」

リーと呼ばれたウェイターは頭を下げて出て行った

「楓！こんなところに女子高生連れてきたらマズイだろ」

「ドライブデートの後に海を見ながら酒の力を借りて口説こうと思ってさ♡ お前らにも紹介するね」

楓はくるみの肩に手を回した

「妹の友達でくるみちゃんって言うんだ、俺の嫁になる予定♡」

「お前の嫁はけいおんの澪たんだろ？」

「いや、確かまどマギのほむほむって言ってたぞ？」

くるみは聞き慣れない言葉に目をパチパチするが居心地の悪さだけはハッキリわかる

「なぁんだ！ 楓の彼女なの」

先ほどジーナと呼ばれた女性はキツそうな目つきで軽く睨んで居たが、楓の紹介を聞いて目尻が下がった

「デートの邪魔してごめんなさいね？私、ジーナよ」

ニコっと微笑んで握手を求められたので、くるみも手を出す

「森野くるみです。楓さんの彼女ではありませんが、仲良くさせて頂いてます」

「葵も良輔もくるみちゃんにお熱なんだよ！まぁ、俺に敵うわけないけどw」

楓の言葉を聞いてジーナはくるみの手をグッと強く握った

くるみはあまりの力強さに思わず息を飲んだ

「そうなの。ちなみに良輔は私のだから」

意味深な目力の迫力に思わず目をパチパチさせるくるみ

「ジーナ、1杯飲んだら帰るからくるみちゃんをいじめんなよ。良輔が勝手に惚れてるだけなんだから」

「あんた飲んだらバイクどうすんのよ！」

「お前はキン斗雲、またの名をタクシーと呼ばれる乗り物を知らんのか？くるみちゃんはオラがちゃんと送り届けるから心配すんな！」

楓とジーナのやり取りを見て面倒ごとを嫌うかの様に、知り合いらしき人達はVIPルームを出て行った