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彼女の恋愛

第10章 暴走彼女

リーが間も無くしてコロナとカクテルグラスを持ってきた

「サンキュー!ニンジャ(楓のバイクの名前)明日取りに行くから駐車場置いといていい?」

楓がリーに言うとかしこまりましたと下がった

「じゃあ俺とくるみちゃんの初デートに乾杯♡」

グラスを持つ楓にくるみは困った顔で話した

「楓さんせっかくですがさっきの人達の言う通りです。未成年が出入りするような場所ではないので、私帰ります」

「えー!くるみちゃん怒っちゃった?」

楓はシュンとしてくるみに謝った

「強引に連れてきてごめんね。久しぶりにくるみちゃんに会えて舞い上がっちゃって…一緒に海を見たかったんだ」

「楓さん…スイーツヘブンならいつでも一緒に行きますから、今日は帰ります」

くるみが立ち上がろうとするのをジーナが制した

「あら、出された物に口も付けないで帰るなんて楓にも店にも悪いんじゃない?」

「…」

「それに謝ってるんだからさー、楓の顔を立ててあげなよ?男に恥かかせちゃあなたの評価も下がるわよ?」

ジーナが静かにくるみを諭した

「…わかりました。お酒以外なら一杯だけ…」

「やったー!くるみちゃん大好き♡」

楓が抱きつこうとするのを両手で力いっぱい拒んだ

「だ、ダメです!」

「ちぇっ!まぁ、さっきまでいっぱい抱きしめてくれたからいいか♪」

楓がからかうように言うと、くるみは顔を赤くした

ジーナがスッと席を立ってくるみを見下ろす

「ただその格好でここに居られるのはゴメンだわ。こっちにいらっしゃい」

「ジーナ、くるみちゃんに変なことしないでよ〜」

楓が止めようとすると怒ったように口を尖らせた

「この店のオーナーとして言ってるの!とって食うわけじゃあるまいし!」

ジーナはプリプリしながらくるみを別室に連れて行った

「店でたまにショーをやるんだけど、女の子の衣装なら沢山あるからその中から一着選んで?」

クローゼットを開けると6畳程の個室にドレスがかかったラックが所狭しと並んでいる

ミニで胸がガッツリ開いているドレスばかりでくるみは選べずに硬直した

「選べないの?仕方ないわね〜」

ジーナは奥のラックにかかっているドレスを手渡した

胸元にたっぷりビジューが付いたゴージャスなチュールドレスでふわっと広がるミニのスカートはアイドルのようなドレスだ

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