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彼女の恋愛

第10章 暴走彼女

「ジーナさん、私こんな高そうなのは…」

「仕方ないわね、ならこっちする?」

ジーナは真っ白のホルターネックのドレスをくるみに手渡した

「言っとくけど、うちは胸が開いていないドレスなんてないからこれが一番地味なタイプよ」

「…わかりました」

くるみが大人しく着替えるのをみて、ジーナは少し離れた場所でタバコに火をつけた

「ジーナさんはお店のオーナーさんなんですか?」

なんとなく間を嫌って、くるみはジーナに話しかけた

「うちの父の所有物なんだけど、好きにしていいと任されたの。そんな事より良輔とはどんな関係なのかしら?」

「良輔さんですか? 楓さん達に海に連れて行ってもらった時に初めてお会いして以来、お友達です」

「友達ね…」

何か考えながら煙をふーっと吐き出すと、後ろのジッパーに手こずっているくるみの背後に回りジッパーを上げた

「ありがとうございます」

くるみがジーナに向き直ってお礼を言うとタバコを片手にマジマジとくるみを見る

「ブラ、外してパットを入れなさい。ストラップが見えちゃってるわよ」

「でも…」

「グズグズしないの!」

奥の引き出しからブラパットを取って手渡し、近くにあった箱からビジューの付いたクリップを取ってくるくるとくるみの髪を巻いて止めてくれた

「靴はこれ履いて。制服とブラとローファーはこの袋に入れなさい。…行くわよ?」

くるみはジーナに逆らえず全て言う通りにして、後を付いて歩いた

先ほどの個室に戻るとジーナがじゃ〜んとドアを全開にした

「くるみちゃん…本物の天使かと思った!さすがジーナ!マジGJだよ」

楓がジーナにグッと親指を立てる

「当然でしょ?誰だと思っているの」

ジーナはふふんと勝ち誇ったように笑った

カンパーイと楓はくるみのカクテルグラスにコロナの瓶を当てて飲み干したが、くるみは戸惑っていた

「シンデレラはノンアルコールカクテルだよ、大丈夫!」

楓がウィンクしたので、くるみは口をつけた

「それより最近良輔は来ないけど、何しているの?」

「さぁ、特に何も聞いていないけど?」

「放置プレイは嫌いなの知ってるくせに!この私を放ったらかしなんて良輔くらいよ」

「ああ、花火大会の時とか?あいつもジーナを放置とか恐ろしいことするよな」

(良輔さん、花火大会ジーナさんと一緒だったんだ)

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