テキストサイズ

彼女の恋愛

第10章 暴走彼女

くるみは目を覚ますと見知らぬ天井が目に入った

「ん〜、ここどこ?」

寝ぼけていたがバッと体を起こす

やけに倦怠感があり、かったるい感じだ

(私、昨日バーに行って、楓さんとジーナさんと飲んで…その後どうしたんだっけ…)

考えても思い出せず下を見てみると身に覚えのない服を着ていた

立ち上がり襖を開けて廊下に沿って歩いていく

ダイニングらしきものが見えて、奥のキッチンから良い匂いがしてきた

「(菫の家っぽい…)おはようございます」

調理中のマミーにくるみが話しかけるとくるみちゃん!と手を取ってきた

「うちの息子が迷惑かけて本当にごめんなさい!」

「いえ、私も楽しかったですから」

「昨晩、葵があなたと楓を連れて帰った時はびっくりしたわ!」

「葵さんが?昨晩…あー!!!私家に電話しなきゃ!どうしようー!」

「くるみちゃん落ち着いて?お家への連絡や妹ちゃん達の心配は大丈夫よ」

「へ?」

「楓があなたをバイクで連れて行った時に嫌な予感がしてね?菫にご飯持たせてあなたの家に行かせたのよ。くるみちゃんが帰らないようなら代わりに妹ちゃん達の面倒を見るように言ったの。」

「菫がうちに?」

くるみはびっくりして目をパチパチさせた

「我ながら名案だと思ったけどお母様には早めに謝罪しないといけないから、なつみちゃんに連絡先聞いて連絡したのよ。優しいお母様で私、涙出ちゃったわ」

くるみはすぐに連絡しようとしたがまだ朝の5時だった

「まだ早いしくるみちゃんも休んでていいのよ?」

「いえ、もう目が覚めましたから」

「そう?じゃあお風呂温めてあるから、入って?」

「いえ、家に帰ってから入るので大丈…」

「だめよー!くるみちゃんに沢山食べてもらおうと思って、ごはんももうすぐ出来るから先にお風呂入って待っててちょうだい?」

「でも…」

「はい、これタオルよ♡」

「ありがとうございます…」

マミーに言い切られお風呂に入ったくるみ

暖かい湯船に浸かると頭痛が治まってきた気がした

お風呂から出るとくるみは自分の荷物を探したが見つからない

「マミー、私の荷物どこにあるかご存知ですか?」

「あら葵が預かっているのかしら。いま手が離せないからくるみちゃん見てきてくれる? あの子の部屋は階段上がってすぐ左よ」

「はい、見てきます!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ