テキストサイズ

彼女の恋愛

第10章 暴走彼女

「失礼します…」

ノックをしてドアを開けると部屋はブラウン系の色で統一され、床のインディアン調のラグすごくお洒落で葵らしかった

葵はベッドでまだ眠っているようでこちらに気がつかない

そっと開けてキョロキョロ見渡すと、ベッドのすぐ脇のチェストの上に見覚えのある袋とスクールバックが置いてあった

(葵さん寝ているの起こすと悪いし、そっと取れば大丈夫だよね…)

音を立てないように中に入ってスクールバックに手をかけた瞬間、葵がバッとくるみの腰を抱きしめてベッドに引き入れた

「きゃっ!」

「おはよう、くるみちゃん…すげー良い匂いする」

「おはようございます…あの、葵さん…こ、困ります」

「…え?…くるみちゃん、昨日のことどこまで覚えてる?」

「なんか断片的になんですけど…ジーナさんがドレス貸してくれて、楓さんと3人で乾杯して、それから私の恋愛相談してもらいながらゲームして…」

「その先は覚えていないの?」

「あまり覚えていないです…良輔さんがいて、ジーナさんが泣いていた記憶があります」

「そっか」

「あの…私なにかしましたか?」

くるみは起き上がってベッドの上で正座して葵に聞いた

「俺とエッチなことしたの覚えてない?すげーエロかったよ?」

「へ?」

くるみはサーっと血の気がひいて口に手を当て固まった

「ぷっ、冗談だよ!」

クシャッとくるみの頭を撫でて葵も起き上がった

「酔って寝ちゃったのを良輔が車に運んで、俺が家まで連れてきた。ドレスから菫の服に着替えさせたのは母ちゃんだから安心して?」

「葵さん!冗談キツすぎですよ」

くるみは泣きそうな顔でほっと溜息をついた

「葵さん、ご迷惑おかけしてすみませんでした。また改めてお礼させて下さい」

「くるみちゃんに迷惑かけたのは楓だからお礼なんて必要ないよ。昨日俺と母ちゃんがたっぷり説教したから許してやって」

「ちょっと困っちゃいましたけど、楽しかったです。ジーナさんにもドレスのお詫びしないと!」

葵が言いかけた時にマミーの呼ぶ声がしてくるみはじゃあ!と言って荷物を持って下に降りていった

(記憶なしか…まいったな。良輔より先に告ろうと思ったのに)

葵は昨日のくるみを思い出した

白い肌に弾力のある胸、自分を求める姿を思い返しただけでムスコが反応してしまう

葵は深いため息をついた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ