テキストサイズ

彼女の恋愛

第10章 暴走彼女

「ダメだよ?乗って」

葵が優しく諭すとくるみは助手席に回り大人しく座った

「葵さん、ありがとうございます」

「いいよ。前に一度すみれを迎えに行ったから道も覚えてるし」

エンジンをかけてゆっくり発進した

「ジーナのことだけどくるみちゃんはもう会わないほうが良いと思う」

「何でですか?」

「ジーナは悪いやつではないけど良輔のことが好きでストーカーみたいなもんだ。良輔は今まで特定の女の子を作らなかったけど、くるみちゃんだけ特別なのをあいつは良く思っていない」

「そんな…昨日も彼氏のことで親身になってくださったのに」

「くるみちゃんから良輔を遠ざける為なら何だってするよ。セクシーなドレスを着せて、高級シャンパンを飲ませたのも楓と君をくっ付けようとしたからだよ」

「そうですか…でもドレス返さなきゃ」

「俺から返しておくから今後は会わない方がいいよ。話はそれだけ」

「わかりました。クリーニング出して戻ってきたら葵さんに連絡します」

「じゃあ、番号交換しよう?」

葵は自分の携帯をくるみに手渡す

「ごめんね、運転中だからくるみちゃんの番号かけてくれる?」

「わかりました」

くるみがワンコールかけようとした時に角から曲がってきた自転車がぶつかりそうになって、葵はブレーキをかけた

「危ねー!くるみちゃん大丈夫?」

「大丈夫ですが、はずみで携帯落としちゃいました。すぐ拾います」

くるみはシートベルトを外して葵の足の間に落ちた携帯を拾おうと屈んだ

(この格好はいろんな意味でやべー)

「…くるみちゃん止まったら拾うから大丈夫だよ」

「でもブレーキとかアクセルの方に行ったら危ないですよ?もうすぐ届きますから」

運転席のドアを右手で掴んで左手で落とした携帯を拾おうとする

くるみの柔らかい胸が葵の左の太ももに伝わり、葵はまた昨日のくるみを思い出した

「…っ、もうちょっと…届いた!」

葵のピンと立った男根は間一髪でくるみが気づく事はなかった

「葵さん、ワンコールしておきました」

「あぁ…ありがとう」

くるみの家に着くまで葵は必死に九九を心の中で唱えた

マンションの入り口付近に車をとめて葵はくるみの荷物を持って降りるとお母さんにご挨拶させて?と一緒にドアの前までやってきた

インターホンを押すとなつみが出てきた

「お姉!遅いよ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ