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彼女の恋愛

第10章 暴走彼女

「とにかく陽と正式に別れるまでは私は陽の彼女だし、相悟くんと今こんなところに居るのもおかしな話だから」

「…じゃあ1時間だけ一緒に居て?手は出さないって約束…頑張る」

「何をするの?」

聞くとくるみをお姫様抱っこしてベッドに向かった

「ちょっ!降ろして」

「危ない!大丈夫、手は出さないから」

ベッドに降ろすと相悟は自分も寝転んでくるみの頭を自分の右腕に乗せて腕枕した

「1時間だけこうさせて?練習試合だったうえにくるみを追いかけて疲れた。最近ずっと眠れなかったけどくるみが横にいると安心する」

確かに相悟の顔色はみてすぐに悪いと判った

「…1時間だけだからね」

「ありがとう。くるみ、大好きだよ」

「…どういたしまして」

相悟はぐっとくるみを引き寄せて抱きしめると、すぐにスゥっと寝息が聞こえてきた

(本当に眠れなかったんだな。陽から話聞いて不器用なのはわかったけどここまでとは思わなかった)

気づかなかったがずっとブーッブーッと相悟の携帯のバイブが鳴っている

おそらく陽からの連絡だろう

(陽は私と別れたいのかな…腕を組んでいたあの子を好きなんだろうか…)

くるみは悶々と1人考えていたが規則正しい相悟の寝息を聞いていると昨夜の疲れでやがて眠りに落ちてしまった

「ん…んむ、ん、ん〜?」

目を覚ますと相悟がキスをしながらくるみの胸を揉んでいた

「何すんのよ!」

パンと手を叩くと相悟が痛っ!と揉む手を止めた

「ごめん、くるみがあまりにも可愛くて理性が持たなかった…」

「油断も隙もないんだから!」

くるみがはだけた洋服を整えると相悟は伸びをした

「久しぶりにぐっすり眠れたかも」

「…顔色良くなってよかった」

「くるみが毎日一緒に寝てくれたら良いのにな」

「無理…相悟くん、私そろそろ行かなきゃ」

「寝てたくせに…」

「うるさいなー!」

くるみがバシっと相悟の腕を叩くと痛いと言いながら、荷物を持ち上げた

二人でエレベーターに乗ると相悟が呟いた

「初めてのラブホだったけど何もしないで帰るとか…まぁ、くるみに添い寝してもらえたら安いもんか」

「相悟がこんなとこ入れるなんて思わなかった。私も初めて入ったけど…」

「陽とは来なかったの?」

「…来てない」

「くるみの初ラブホの相手が俺で嬉しい…」

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