彼女の恋愛
第10章 暴走彼女
菫の家に着いてインターホンを鳴らす
ハイと男の人の声がした
(葵さん?楓さん?)
「森野です。マミーはいらっしゃいますか?」
「くるみちゃん!」
ガチャっと受話器を置く音がして玄関のドアが開き、楓が出てきた
「くるみちゃん♡僕の天使」
ガバっと抱きしめられたくるみは慌てて離れた
「…なんかいつもと匂いが違う」
「え?楓さんの家でお風呂入ったからじゃないですか?」
「違う…なんか雄臭がする」
「き、気のせいですよ!それより菫は?」
「妹とストーカーを別れさせないと!って息巻いて出てったよ。今は謹慎中の僕だけ♡」
「はぁ〜なつみの事だな…わかりました。これマミーにお詫びの気持ちだと渡してもらえますか?」
「いいよ〜、さぁ、上がって?」
「いえ早めに家に帰らないといけないので、失礼します」
楓がバッとくるみを家の中に入れる
「だ〜め!他の男の匂いがするくるみちゃんをこのまま返せないもんね」
「楓さん、私ほんとうに…」
「じゃあ1杯だけ?今ちょうどカフェラテ淹れたから付き合って?それ飲んだらくるみちゃんは帰る」
「約束ですよ?」
くるみが靴を脱ぐと楓は満足そうに笑った
「2階上がって左の奥が僕の部屋!持っていくから待ってて?」
「え!」
部屋に入りたくなくて断ろうとすると楓はキッチンに戻ってしまった
(なんか楓さんには強く出れないんだよな…)
2階に上がって楓の部屋を開けると黒を基調にした部屋で壁一面にガラス張りの棚が置いてあり、美少女とバイクのフィギュアが綺麗に飾ってある
デスクにパソコンのモニターが4つも並んでいる他に大きめのソファが1つ置いてあった