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彼女の恋愛

第10章 暴走彼女

くるみは念のため、菫にメールを送って携帯をしまった

ソファーに腰掛けるとおまたせー!と楓がトレイを持って上がってきた

「じゃーん!すごい?すごい?」

カフェラテには可愛らしいクマの絵が書いてあった

「すごい可愛い!写メとろ♡」

くるみが写メを撮っていると楓はにっこり笑った

「喜んでもらえて良かった!くるみちゃんになにかお詫びしないとって思ってたから」

「お詫びなんて…気にしてないですよ」

「でもごめんね?お母さんにも怒られちゃったでしょ?」

「はいw でも楓のさんの所為なんて思ってないです」

「くるみちゃん…本当可愛い」

ギュッと抱きしめられてくるみはまた慌てた

「楓さん!は、離して下さい」

「こんな可愛い彼女に距離を置こうとする男がいるのが不思議でしょうがない」

離そうとしない楓から少し頭を上げて楓の顔を見た

「え?なんで楓さんが?」

「覚えていないの?昨日自分で言ってたよ?」

「そういえば相談したような…気がします」

「彼氏と距離を置いてるのにメンズ系フリージアの匂い付きとか…やっぱりくるみちゃんは僕の妄想通り天使の皮を被った小悪魔なのかな?」

「そんなこと…」

言い返しながらも今までの事を振り返ると否定も出来なかった

「僕ね、部屋に女の子はもちろん友達もあまり入れないんだよ。ここは聖域だからね?」

「聖域?」

「そう。でもくるみちゃんは特別♡ 葵や良輔以上に僕も君が好きみたい 」

楓はふっと笑うとくるみの右頬に手を添えた

「くるみちゃん!無事か⁉︎」

楓が顔を近づけようとするとガチャっとドアが開いて葵が息を切らしながら入ってきた

「ちっ!お邪魔虫め!」

「くるみちゃん…ハァハァ…良かった…」

「葵さん?どうしたんですか?」

「菫から緊急電話きて慌てて帰ったんだよ、くるみちゃん!言っとくがこいつは危険人物だ」

葵は楓を指差して訴え、楓はほっぺを膨らましている

「可愛さを売りにぶりっ子して、泣かした女の子は二桁超えてるよ」

「なんだよー、葵だって似たようなもんだろ?」

「全然違う!少なくとも執事喫茶のバイトでスイーツ系の貢ぐちゃんだけ本気にさせて他は全く相手にしないとかそんな鬼畜な所業はしてない」

「言ったな!それなら高級ジムのインストラクターで金持ちマダムにちやほや媚び売ってるのは何だよ!」

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