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彼女の恋愛

第11章 新しい一歩を踏み出す彼女

村瀬に声をかけようとすると入れ替わるように陽がやってきた

「待たせて悪い!なんか今日長引きそうだから15分くらい休憩もらった」

「忙しいのにごめんね?どこで話す?」

「中庭に行くか」

二人で中庭まで歩いて近くの自動販売機で飲み物を買った

「ふ〜っ、疲れた!」

「お疲れ様、最近調子良いみたいだね」

「がむしゃらに打ち込んだ結果うまく転がったかな。久しぶりにくるみの顔見たらもうちょっと頑張れそうかも」

「陽…私じゃないでしょう?」

陽を真っ直ぐに見つめるとごめん…と謝った

「相悟から聞いたよ。嫌な思いさせてごめん!前から試合とか観に来ていた子なんだけど一度告られて断ったらそれでも来てくれるから…」

「確かに頭をガツンと殴られたような感じだったw でも私は自分でも気づかない間に陽のこと沢山傷付けていたから…おあいこかな?」

「本当だよ!ふらふらして村瀬だの、相悟だの引っ掛けるんだから」

くるみのほっぺを軽く抓ってヒヒっと笑う

「陽、私良い彼女じゃなくてごめんね」

「くるみは一生忘れられないエッチな彼女だよ」

「それ忘れてよ!」

陽をパシッとぶつとニッと笑った

「くるみ、今までありがとう」

「こちらこそ、ありがとう。おかげで楽しい思い出いっぱいだよ」

「最後に握手しようぜ」

陽が手を差し出したのでその手を取ると強く引かれて抱きしめられた

「ほら、隙あり。くるみの新しい彼氏は大変だな?」

「違うよ、陽だから許したの」

「言うようになったなw 松岡の影響だな」

くるみを抱きしめて耳元で囁いた

「くるみ幸せになれよ。何か困ったことがあったら勉強以外は相談して」

「ありがとう。心強いよ」

「そろそろ行かなきゃ。なっちゃんとむっちゃんによろしく」

「圭さんにもね、部活頑張って!」

陽に手を振って別れた

すぐに帰る気にはなれなくて図書室の空気変えをしようと旧校舎に入った

図書室に着いて少し埃っぽい空気に顔をしかめながら窓を開けるといい風が入ってきた

カウンターに置かれたコピー用紙を見て昨日菫に言われた事を整理してみようと思った

(陽とは別れた。次に進まなきゃいけないのは私の気持ち)

思ったことを手当たり次第書いていると名前を呼ばれて耳まで真っ赤になった村瀬の顔を思い出し、一人笑ってしまった

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