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彼女の恋愛

第4章 【仮】彼女

「怖くはないよ。ただ機械を動かすのは資格持ってないバイトだよね?それが嫌だから乗らないんだよ」

一同唖然としたが菫がくるみのラーメンを一口もらいながら口を挟む

「ウチはベタにお化け屋敷かな〜? ここのって超怖くて有名だし〜?いざって時は相悟に守ってもらおーかな〜♡」

「お化け屋敷⁉︎ 絶対やだ!!」

くるみは青ざめた

暗いところとお化けが大嫌いで小学生の時は泣きすぎておばけに非常口まで連れて行かれた経験もある

「時間的に1つしか行けないから多数決で決める?」

心なしか企んだ雰囲気が漂う

結果、くるみ以外全員がお化け屋敷を希望した


「無理無理無理無理! 外で待ってるから3人で行って来なよ!」

おどろおどろしい外観を見てくるみは入る前から相当怖がっている

「ここ2人で1組だからくるみ入らなかったらあまっちゃうじゃん〜? 大丈夫だよ! 死にはしないから〜♡」

「そうだよ!それに俺がいるから大丈夫だって」

「ほ…本当に大丈夫?」

「くるみちゃん、この中にあるのは人工的に造られた物だから、怖がる必要ないんだよ?」

相悟の言葉に陽と菫は気分が萎えたがくるみはそっか〜と納得している

「も〜! ムードが台無しだよ〜! じゃあ先に入るね〜」

菫と相悟が係りの人に案内されて扉の向こうに消えていった

しばらくして次の方どうぞ!と呼ばれ陽が手を繋ごうと差し出す前にくるみから繋いできた

真っ暗でなにも見えず壁伝いに歩くと急にぷしゅーっとガスが噴射した所為でくるみはしゃがんで動けなくなった

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「くるみ、大丈夫だよ、白いガスが出ただけだよ」

スタート地点でくるみの心が折れかけるが菫達を待たせては悪いし、何より笑われるのが嫌だった

陽が笑いながら起こすとくるみは陽の腕にしがみついた

「が、頑張るぞ‼︎」

「あー…うん、ガンバッテ…」

陽の心の中で葛藤していた

くるみの胸が少し触れるとかではなくモロに柔らかい感触が伝わる

(さっき映画館でやり過ぎたから我慢しなきゃ…)

くるみと付き合えたといえど今日始まった仮の仲、ここで下手なことして嫌われたくない!けど…

「ひっ…いまあっち何かいたぁ」

怖がるたびにぎゅうぎゅうっとしがみつく

「何もいないよ!大丈夫だって」


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