テキストサイズ

彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

「楓さんが運転するんですか?」

「長距離だから行きが僕で帰りが葵なんだよ。じゃんけん勝って良かったー!」

ゆっくり車を出しながら喜ぶ楓

「くそ…酒飲めないBBQなんて拷問だぜ…」

葵が後ろでぶつぶつ言っている

「しかもくるみちゃんが隣〜♡ 最高!」

「あ、マミーから朝ごはんのおにぎりもらいました!食べますか?」

「…聞いてなくても、最高〜!」

「そこのコンビニでお茶買おうよ〜」

楓がコンビニに車を停めて各々降りた

「飲み物と〜ガムと〜ポテチと〜」

菫がぽいぽいカゴに商品をいれる

「そんなに食ったら向こうで何も食えねーぞ?」

葵が呆れながら菫に言う

「いま全部食べるわけないでしょ〜?」

そう言いながらカゴはこんもり商品が積み上がっている

葵がタバコを買っているレジにこれもお願いしまーす♡とドンっと置いた

「…俺が出すのかよ」

「葵、少し前が給料日だったでしょ♡ 稼いでるんだからいいじゃん♡」

「ったく…その代わり残さないで食って太れよ?w」

買い込んで車に戻るとくるみがみんなにおにぎりを配る

「楓さんは何のおにぎりがいいですか?」

「僕、こんぶがいい!」

「えっと…はい!」

くるみはサランラップを剥いて片手で食べやすいように渡したが、楓は受け取ろうとしない

「運転中は危ないからくるみちゃん食べさせて? あ〜ん」

「えっ…」

後ろから菫がチョップした

「キモいー!自分で食えよ〜!」

「マジで危ないんだよ? 教習所の教官が松岡くんは片手だとバランス悪いから両手でしっかり握って♡って言ってたもん」

「どういう状況で教官にそんな事言われるんだよw」

菫と葵は呆れてたが、くるみはそれくらい良いですよとおにぎりを楓の口に運んだ

「ん! いつものババアのおにぎりより3倍うまい♡ 葵!良輔に着いたって連絡して」

「もうしてるよ」

しばらくすると車のドアを開けて良輔が乗り込んだ

「おはよう〜って、なんでくるみちゃん助手席なの⁉︎ 葵、前行けよ」

「ふざけた頭でふざけた事言うな」

葵は不機嫌そうにつぶやく、車はゆっくり発進した

「良輔さん、おはようございます。菫のお母さんがおにぎり作ってくれたんですけど食べますか?」

「食べる食べる! 葵のかーちゃんの飯うまいよな!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ