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彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

くるみからおにぎりを受け取ろうとした時に手が触れて、良輔がバッと手を引いた所為でおにぎりは下に落ちてしまった

「ごめんなさい、大丈夫ですか⁉︎」

「いや!俺が悪かった。ごめんね;」

落ちたおにぎりを拾ってラップを外し、何事もなかったように食べる良輔を見て葵はつまらなそうにシートを倒して寝る体制に入り、菫は何か気付いたようにニヤっと笑った

「くるみちゃんおかわり♡」

「あ、どうぞ」

ラップを剥いて楓の口元におにぎりを運ぶ姿をジッと見ていた良輔に菫は声をかけた

「ねー、金髪は彼女いないの〜?」

「金髪って…まぁいっか、それがいないんだよね〜。 菫ちゃんなってくれる?」

「ウチはあり得ないけど金髪ってモテるんでしょ〜? なんで彼女作らないの?」

「さりげなくフラれてる; 全然モテないよ〜、やっぱり髪の色変えた方がいいのかな〜」

「そうだね。 料理上手で色白で髪黒くて華奢なくせにおっぱいが大きい子に興味があるなら落ち着いた色に変えた方がいいかもね〜」

食べていたおにぎりを詰まらせてゲホゲホっと盛大に咳をする良輔に葵が無言でお茶を渡す

慌てて飲んでトントンと胸を叩くと涙目で菫を見る

「な、なんの話かな⁉︎」

「別に〜?全くどいつもこいつも… 」

やれやれと両手を挙げるジェスチャーをして菫もシートを倒して目をつぶった

良輔はチラッと助手席を見ると楓と話していて特にこちらの話は聞いてなかったみたいでホッとした

おにぎりを食べ終えてシートを倒してしばらく携帯を見ているとサービスエリアに着いた

「ちょっと休憩がてらトイレタイムー!」

くるみは菫と女子トイレに向かった

「くるみ、金髪と代わって後ろの席においでよ!ウチつまらない」

「いいよ?」

車に戻ると葵が一番後ろの席で寝ていて楓と良輔はまだ戻っていない

今のうちに!と菫に急かされながら助手席に置いてある荷物を後ろに持ってきた

楓と良輔が戻ると楓が後ろに座るくるみを見てえー!っと声をあげる

「くるみちゃんが助手席じゃなきゃヤダ!」

「くるみはウチと大事な話があるからごめんね〜」

「なんだよ、話って?」

「いいから早く運転してよ〜。間に合わないよ?」

楓はしぶしぶエンジンをかけて車は発進した

「なんか小腹空いた…売店で買えばよかったな」

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