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彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

くるみはフーフーと冷ますと海老をひと齧りした

「すごいプリプリで美味しいです!」

「こっちも焼けてるよ」

焼き立ての帆立もくるみのお皿に乗せた

「葵さんも食べてください」

「俺はこっち焼けたら食べるよ」

葵がトングでひっくり返しているとくるみが帆立をフーフーして葵の口元に持っていった

「はい、ホタテどうぞ!」

「あ、ありがとう」

葵がパクっと口に入れるとくるみは満足したように笑顔になった

「葵とくるみちゃんは付き合っているの?」

シュンが唐突に聞いてきたので葵は飲みかけのビールを吹きそうになった

「急に何だよ…あいにく付き合ってないよ」

「ごめん!なんかラブラブに見えてさ。それ葵のだろ?」

シュンがくるみの帽子を指して聞いてきた

「預かってもらってるだけで大した意味ないよ」

葵がトングで具をひっくり返しながら答える

「ふ〜ん。あ、良輔が達戻ってきた」

ジーナの顔色がパァっと笑顔だったので仲直り出来たのは言うまでもなく良輔の腕に寄り添って戻ってきた

「もう腹ペコペコ〜、俺の席はどこ?」

「良輔、こっち空いているわよ?」

葵の隣に良輔を座らせてジーナはくるみの隣に座った

「くるみちゃん、この前の事なんだけど私からも謝るわ。無理して飲ませたみたいでごめんなさいね?」

ジーナが座るや否や謝ってきたのでくるみはキョトンとした

「全然です!私の方がご迷惑かけていましたし」

「じゃあお互い様って事で仲直りの乾杯しましょ?」

くるみがグラスを持つとジーナが中身をジッとみる

「これ何?」

「ペリエです」

「…くるみちゃん、1杯だけ…」

「「ジーナ!」」

良輔と葵に止められてジーナは降参と両手を挙げた

「わかったわよ! …くるみちゃん、乾杯♡」

チンとグラスを鳴らして焼けた海鮮を食べていると隣のテーブルが大いに盛り上がっていた

見るとテキーラのショットグラスが真ん中に置かれていてゲームで負けた人が飲むという至ってシンプルな内容だが、菫もちゃっかり参加している

「…ったく、あいつ何やってるんだよ。おい、菫!」

葵が立ち上がって向こうのテーブルに着くと入れ替わりでシュンがくるみの隣に座った

「葵があんなに過保護だと思わなかったよ」

シュンが笑うとジーナも笑いながら良輔を指差した

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