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彼女の恋愛

第12章 BBQ彼女

シュンも自身の携帯で配電盤を調べてみる

「う〜ん、こっちは問題ないみたいだ。この辺り一帯が停電なのかな」

「携帯の灯だけじゃ心許ないので代わりになるものありますか?」

「非常時用のロウソクがあったと思う。倉庫に移動しようと思うけど物が溢れているから大人数だと危ないな…女の子はダイニングで待ってて?」

「イヤよ!怖いもの…」

ジーナが不安そうに震えている

「楓、女の子達とダイニングに残ってて?」

「了解〜」

シュンと良輔と葵は物置に向かい、くるみ達はダイニングに戻りソファに腰掛けた

震えながらソファーに座るジーナをみてくるみは暖かい飲み物を入れようとキッチンに向かった

携帯の明かりを頼りに辺りを探ると引き出しからチャッカマンを見つけた

(良かった、電池を温存できる…)

「くるみ〜、何してんの〜?」

菫がヒョイっと顔を出した

「ジーナさんだいぶ動揺しているから暖かい飲み物入れようと思ったけど暗くて勝手がわからなくて…」

「ウチもお水飲みたいー!停電ってことは冷蔵庫も使えないよね。高級食材とか腐ったら勿体ないよ。食べよ!」

「ちょっ! 人様の物、勝手にダメでしょ!」

菫が冷蔵庫を開けると中は空っぽだった

「げ! なんもないじゃん!」

「本当だ…」

呆然としていると後ろが急に明るくなった

「ここに居たのか、居ないから心配したよ?」

葵がランタンでくるみと菫を照らした

「あおいー! ウチお腹空いたのに冷蔵庫空っぽなんだけどー!」

「いま食ってる場合かよ!他もいろいろ探してみないと」

「今すぐコンビニ連れてって!」

「うるせーな! 食物以外考えられねーのか!」

「…確か行きに大量のお菓子買ってたよね? 車に積みっぱなし?」

「くるみ! たまには頭いい♪ 葵、鍵ちょうだい」

「楓が持ってんじゃない?」

菫がかえでー!とダイニングの方に走っていった

「くるみちゃんもあっち行こう? 」

「はい」

くるみはチャッカマンを消すと念のため持って葵とダイニングに戻った

「はぁー⁉︎ 鍵がない〜⁉︎」

菫の大きい声が響く

「寝ていた部屋に忘れたかな? 取りに行ってくる」

「俺も一緒に行く、シュンの部屋に携帯忘れた」

「俺も〜」

良輔がすくっと立つとジーナも慌てて立ち上がった

「良輔が行くなら私も行く」

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